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2016年2月20日 (土)

『国境の雪』 - 今週の一冊

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  柴田哲孝著
   『国境の雪』
  角川書店刊
   674ページとちょっと厚みのある本です。
   もとより、こちらで紹介している本は、中国に関する・・というか
  中国人が小説の中に登場する作品を選んで紹介しております。
   最近、とみにこうした作品は多く、恐らくこんな紹介の回数では
  とてもとても紹介しきれないだけあります。
   毎日一冊紹介しててもそこそこあるかも・・・。
   ということで、全てはとても無理ですし、そんなつもりもありせん。
  わたしの紹介の基準はかなり変則てきで、
  作品の中に登場してくる中国人、
  彼らが使う中国語、中国人なるが故の習慣・・・などなどにありまして、
  そうして作品が読まれることなど作者は想像だにされておられない
  でしょうから、ちょっと気の毒?ですが、
    今週は、こちら
   物語は2010年冬に始まり、
   舞台は北朝鮮、中国、それもチベット国境までと大きく動く。
    中に北朝鮮情勢、中国での情勢、薄熙来問題、などを織り込んで
   退屈させない。
     で、先に触れたようにわたしの関心は、
   小説の中で中国人が登場するとき、
   日本の小説ですから当たり前ですが表記、作品の中では全て
   日本語で語られ、日本語で処理されます。
    その上で、
   処理の仕方として、
    登場する中国人が、日本語を解し日本語で語る
    登場する日本人が、中国語ができて中国語で作品の中では
    中国語でやり取りしてるらしいが、小説としては日本語で進んでいる。
   といったように分かれます。
    例えば、今回取り上げた小説の中では、
   恐らく主人公は自在に中国語があやつれて、
   全て中国語で・・・・との設定です。
    別にそのことが無理だ!とは言いませんが、これまた、
   ちょっと違和感が。もし、中国語でならこういう言い方、言い回しは
   ないだろう・・・と思ってしまう。
    とりわけ、語りの部分、小説を回す部分は日本人が日本語で
   考えている状況の説明であり、思考方法で進む。
    どの作品もこれは免れない。
    この作品は、読んでいただければお分かりいただけますが、
   この主人公、ちょっと特殊な事情があって、中国語がお仕事の一部。
    ただ、いつも思うのは、
   この反対、日本語の堪能な中国の人が登場するより違和感??が
   あるのはわたしの偏見だろうか。
     そうした意味で、
    日本人でこんな?(小説中の)レベルで中国語で中国人に対応
   できる日本人はいったいどんだけいるんだろう・・・・と思う。
     このことは、わたしはいつも
    言っている、「自給率」の問題ともからみ違和感が消えない。
   その「自給率」のお話をしなくては・・・
    それはまた、明日・・・・いや、明後日だった。

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