≪ゴーシュ≫という名前ー今週読んだ本、宮沢賢治
『ゴーシュという名前』 梅酢時比古著
ちょっと某友人に、宮沢賢治好き、
がおりまして、今週は彼とあってこの話になった。
宮沢賢治のご存じ名作
『セロ弾きのゴーシュ』
あの作品に出てくる、ゴーシュは諸説ありまして、
奏でる楽器がセロで、あまり上手くない、と作品では言ってます。
ですから、そのセロを弾くときの音が、ゴーゴーというんだ説。
いやいや、ゴーシュってのはフランス語で「不器用な」ってな
意味がある、フランス語のゴーシュから名づけられてるんだ説。
まず、この二説があります。で、
異を唱えたのが、この本の作者。
いやいや、ゴーシュっては実はドイツ語ではないか、と。
でもまぁ意味も案外似てるしスペルも似てるらしい??のですが
著者はフランス語ではなくドイツ語説を新たに唱えています。
なんでも「おろかもの」ってな意味なんだそうです。
と、お思いでしょ。
さて、こっからですよ。
東出説があります。さらに新しくわたしが
唱えてるのは、これ中国語じゃないの??説。
ゴーシュ、ですが、高手の中国語 ガォ・ショゥ ・・・じゃないか?
というのが東出説でして、くだんの友人からはお前そりゃちょっと無理
だよ!とけなされてますが、東出説も是非この論戦に加えていただき
たいものです。
ただ、フランス説、ドイツ語説との決定的??違いは、
中国語、高手は名人・達人の域の人であり、褒め言葉です。
となると、作品中ではゴーシュはその弾き手としてはいつも非難されて
ますから、作品表面上では下手?な人だと言ってます。
が、そこが読みが足りない!
宮沢賢治はそのかなりその辺凝った作りのところもありますので、
東出説では、たぶんこのゴーシュ本来は名手なんだが、その辺を
周囲があまりに凄すぎて理解できないか、
彼自身がその凄さを隠すため(何のために?と友人は突っ込む)
故意にその楽団長にも叱られながらも、セロを奏でていた、
という説を唱え、先日友人と議論しあい、
久しぶりにまた読み返してみました。
まったく中国語とは関わりないかのような
宮沢賢治作品です。
沢山の絵本が出版されておりますが、
『ゴーシュという名前』 が、
それぞれ説があるなら、それによって
これらの絵本の表紙絵のこのセロを弾く男性の絵も
変わってこようというものです。
東出節も一考に値するとおもうんですが・・・。
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