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2014年11月 1日 (土)

 『 深紅の華 』 - 今週読んだ本

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  今週読んだ本はこの本。

 オビに、

  「習金平体制前夜の“薄煕来事件”

   この政治スキャンダルをモチーフに

   在中歴4年の筆者が挑む

             本格フィクション!」

  とあります。

    「本格フィクション」って?

   この日本語自体が怪しいですが、

   言いたいことはなんとなく分かります。

    で、読み終わった感想ですが、一言で言うなら

   どっちかにすればよかったのに・・・と、思って読んだ。

   このどっちかは、

    いっそのこと丸ごと事実を追いかけるノンフィクションと

   するか、或いは、

    登場人物もこんなに薄煕来に沿って話を進める必要は

   なくて、あれをベースに思いっきり創り変えるか、

    どっちかに振れた方が善かったと思います。

   確かにあの事件は、事実そのものが小説的?というか、

   最近多いでしょそんな事件。まるで作り事のような事件が。

   以前であれば、まるで小説の世界のような事件と言ってたのが、

   最近は、事件に追いついていない小説?が多くなって、

   人間の想像力が低下してきてるのか、事件そのものがそれを

   凌駕してしまっているのか、小説が事件に負けて?ます。

    この小説も、薄煕来事件を題材にして、ほぼ登場人物もこの人は

   あの事件の誰、と特定できるような位置関係で登場し、

   その動きもこれまたほぼちょっと取材すればそれと判るような

   動きで動いていて、

     事件をなぞる?のが精いっぱい。

     『本格フィクション」にするなら、もっと独自の色づけ?を

   どこかの場面でして貰いたかったです。

    多分ですね、書くに値する事件だとは思うんですね、わたしも。

   当然、事件そのものの記録としてはあれだけの事件ですから

   残るでしょう。公式・非公式含めて。

     ですが、もしフィクションという手段をもってあの事件を

   描きたいのであるなら、

     明らかに作者が創った部分をもっと打ち出さない事には

   事件そのものに負けてしまします。

     惜しい気がします。この題材でこれで終わるのが。

     どうせなら

   この作品では、厚輝雷ホゥ・フィ・レィ(薄煕来とおぼしき主人公)

   の内面にもっとどんどん切り込んで貰いたかったですね。

    単に、婦人の西羅佳シィ・ルォ・ジャァ(同じく小説上での夫人名)

   が悪かったでは、あまりに薄っぺらすぎません?

    物足りない、残念な一冊でした。

     著者: 近藤大介

    発行所:廣済堂出版

     2013年4月第一刷

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