8・15、今週読んだ本、『ツリーハウス』 角田光代
この8月15日があった?
ので、読んだ本はこちら、
『ツリーハウス』
角田光代 著。
既にお読みになった方は
あぁ・・・なるほどね、と
思っていただけると思いますが、まだの方は、
この本の題名『ツリーハウス』
この本の装丁、ビルが続く表紙絵、
この作者、角田光代、
からは、恐らくこの中身を全く想像できないと思いますが、
先に結論から申しますと、
この本は、現代を書いてますが優れた反戦小説?です。
祖父の死からこの故事グゥ・シィ(物語)は始まり、
三代に渡る、翡翠フェィ・スィ飯店(食堂)を舞台に暮らす人々
の“時代”が書かれています。
とりわけ、この祖父と祖母が、満州から“逃げて”日本に
変えるのですが、
祖父の死後、祖母を伴って、二人が嘗て“逃げた”地を
訪れる。
大連→瀋陽を巡る旅。
わたしも、こうした家族を中国に居る時、ある伝手から
通訳兼ガイドを頼まれて、同じ様に大連→瀋陽→哈爾濱の
旅をしたことがあります。
この時は、老夫婦お二人を案内しましたが、
お二人とも時に、街中の雑踏の中で突然足を停めたり、
普通は誰も行かないような、中国の人の生活区に入って感慨
深く遠くを見ておられた、お二人に何があったのかを尋ねるまで
もなく、それらを実際にご自身の眼でご覧になることがこのお二人
の旅の目的だと分かりましたから、非常に気の重い旅でしたが、
それだけに今なお印象深い、旅でした。
戦後、69年。その時のお二人ももうおられません。
多くの方が語る戦争。
それと同じだけいや、もっと多くの語られない戦争がある
ことをわれわれは忘れてはなりません。
もし、まだご覧になられておられないなら、
お勧めの一冊です。
とりわけ、こうした記念の日に静かに読むには最適の本です。
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