今週読んだ本、向田邦子『父親的道歉信』父の詫び状
先日のあの台湾での飛行機事故
は、この作家を想い出させる。
確か、昨年33回忌かなにかで、
ちょっと、その話題を雑誌で目にしたときも、あぁ~もぅ・・・
と、思った。
彼女の作品の中国語訳版を探すのにちょっと手間
どったが、出てきたのは『父親的道歉信』
フゥ・チン・ダ・ダォ・チェン・シン 『父の詫び状』
を取り出して再再読。
こちらは、ご存知のように小説ではなくエッセイです。
実は彼女の作品がどれ位翻訳されて出版されているのか
その全体は判らない。
一応、旅先で必ず立ち寄った書店では、探してみるのだが、
わたしの手元にあるのはこれ一冊。
まさか、もっと翻訳されて出版されているはずだとは思うが、
中国の書店で、店員さんにいきなり、
日本の作家、向田邦子と言って、判る店員さんがいそうにも
思えないし、ましてや、「思い出トランプ」ってのを探してるんです、
と言ったところで「没有メィ・ヨゥ」のひと言で片づけられそう。
小説で、生涯を通じて、そんなにそんなに何度も繰り返して
読む本はそうそう多くない。
本好きなら、そう読むかというと、そうはならない。
何故なら、本好きは本好きで、次から次えと読みたい本や
読まなくては、と思う本が出てくるから。
新しい作家も次々と生まれ、数年新作のなかったあの作家が
新しく書いたとなればそれも読みたい。
つまり、それなりに忙しいのであります。
そんな中で、時に再読し、間をおいてまた手にして読む本は
限られている。
向田本はその一つ。
日本語の美しさが
ある。
ですので、変なはなしだが、向田作品は日本語で読んで
貰いたい。
となれば、日本語を解さない外国の方に彼女の魅力を知って
貰う道が遠のく。
それはそれで、望まない事なので、
翻訳本も多く出て欲しい。
向田本の中国語版は、台湾・香港系出版社が多く
簡体字での出版が殆ど。
だからだろうか?
大陸の本屋さんで探していても、なかなか探し当たらない。
ということで、毎回旅行の旅に探している、
『思い出トランプ』はまだ手に入らず、今回も
『父の詫び状』を再再読。
これで、日本以外の方に、日本の“昭和”の気分??って
分かって貰えるのだろうか。
台湾の年配の方ならひょっとして・・・とは、期待しちゃう。
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