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2013年10月 1日 (火)

山崎豊子 『大地の子』 逝く

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  作家、山崎豊子さんが亡くなった。

   もとより、ここで取り上げるのは

  彼女が中国を舞台に書き上げた

  『大地の子』。

      この本は、1991年の作品。

   一躍人々に知られるようになったNHKのドラマが

    1995年に放映。再放送が1996年。

      もう、すでに十数年の日が過ぎている。

   この本もドラマも、意外?なほど中国の人には知られて

   いない。何故なら、ドラマは中国では放送されていないし、

   本自体も彼女の他の作品ほど知られていない。

     これはちょっと意図的なものを感じる。

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   中国では、こちらの作品で彼女を

  知っている人の方が多いかもしれない。

  或いは『白い巨塔』で。

  つまり、日本社会の問題を内部から鋭く

  追及した作家とのイメージだと思う。

   でも、いずれにしても相当の日本つう か、

   日本の小説に日本に関心のある人でなければ名前を

  聞いてすぐに分かる人は、ごくごく少ないと思う。

    それは、日本の人でどれだけ、中国現代作家の作品を

  知っている、或いは読んだことがあるという人がいるのか?

  といった数と変わらない。

    『大地の子』が中国でも放映されればよかったのだが、

  これまた、様々な政府の思惑などもあって上手くいかなかった

  のでしょう。

    更にこの、『大地の子』の本の売り上げを基金に、

  「山崎豊子文化財団」を設立、そこでの活動で多くの中国からの

  留学生に学費の援助などをしている事実もまるで伝わらない。

    中国でも、関心があれば、ネットで山崎豊子さんが亡くなった

  ニュースは掲載されているし、一応の経歴などもそこでは紹介

  されてもいるが、ここでも『大地の子』には余り重きをおかれて

  いないし、「山崎豊子文化財団」での中国への貢献などを紹介

  した文は見られない。

    とても残念。

    他の作品はここでは取り上げないが、

   『大地の子』のNHKドラマのわたしの印象は

   主人公・中国残留孤児となった陸一心

   それを演じた役者、上川隆也の演技が全てだった。

   1991年ですから、今ほど中国語を習っている人も多くはなかった。

   大学でも中国が選択できない学校がいくらもあった。そんな時代。

    1989年に例のあの天安門事件というのがあって、

    1992年鄧小平が突然、南を旅して「南巡講話」を発表という

   そうした時代背景の時、

     このドラマの主人公は中国人という設定ですから、当然

   中国語は話さなくてはならないのですが、それに日本人をあてました。

     その上川隆也が見事に、陸一心を演じた。

     全体のかなりの部分、彼のセリフは中国語です。

     そして、驚いたのは、彼が中国語を全く理解せずにあのセリフを

    ああして、感情を込めて話すことができるということに驚いた。

    役者という人たちは何と耳が好いんだろう、と驚愕した。

    そのセリフ指導に確かこれまたNHKの中国語講座で講師を務めて

    いた、銭波チェン・ボーという人があたっていたと思う。

    どうやって、指導するんだろう・・・?というのが、

    毎回ドラマを見るわたしの楽しみでもあった。

    そのことを今思い出している。

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