ため口の人たち - 不輩分講話的人
いきなりですが、「ため口」というのがあります。
この「ため」はもともとが博打用語?らしいのですが、ぞろ目
見たいなもんで、同じ・同等・同様を「ため」(多分、たいとうの目?
サイコロの事だと思います)と言うらしいのです。
その対等のように、あたかも同じ年代であるかのような、
友達口調で話すことを「ため口」と言います。
辞書には無いと思います。わたしの訳
ですが「不輩分講話ブ・べィ・フン・
ジャン・ホァ」としておきました。
「ため口」という日本語そのものがかなりちょっと・・・特殊。
加えて、これにあたる中国語がない。
中国は、新中国になると同時に努めて平等であろうとした
わけです。
地位間・男女間・職業間の“差”を認めません。すべて平らに
が目標でした。共産党の面目躍如たるものがあります。
でも、ここでも僅かに?年代間の“差”は残しておこうと・・・。
つまり前輩チェン・べィ(年配者)に対する尊敬は残した方が
好いんじゃないの、ということでそれは辛うじて?残りました。
ですので、コトバの上で中国は基本?普段は「ため口」で
話してますので、僅かにその片鱗が残ってるのはその呼称
などに見られるくらいのものなのですが・・・。
前振りが長くなりましたが、今日は「ため口」の話。
何が言いたいか?昨日夜ボンヤリ、テレビを見てました。
何という言うんですか?バラエティー番組??見るとはなしに
見てたら、某民放テレビ局の方がお年寄りにインタビューという
か、訪ねて行って色々訊いてます。それが全て「ため口」口調。
インタビューされてる側は、明らかに戦中派といった年代の
お年寄りの方。映像にも映ってます。局側の方は画面には
出ないんですが、若い。多分20代。声も若い。男性。
その彼が、自分の3倍以上の年代の方にものを尋ねるのに
「じゃぁ~戦争ん時は大変だったでしょ!」「あれですか・・・?」
のような「ため口」でインタビュー。
それがとても気になった。これを放送で流していいんだろうか?
と。このインタビュアーは少なくともそういう教育は受けてない。
そこでテレビのスイッチを切ろうと思った。つまらないし。
と、インタビューが終わり。画面はスタジオに。そこに居並ぶ
芸能人の方々がこれまた若いのですが、そのいまの画像に
関する感想を述べるのですが、これが更に酷かった。
距離が近い。親しい。打ち解けた。
その感じは分かる。
でもそれで失うものもある。
やはり、時と場所でしょ。
ところが厄介なことに今日本ではこの、時と場所、
も余り重視しなくなった。何処でも何時でも同じ。
ということで、テレビ(公共放送の場)でもそれでよくなった
のでしょう、きっと。
結局最後までその番組見てましたが、人間気になると
その事ばかりが気になって、番組内容がどんなだったか
全く記憶に残ってません。時間、損しちゃった。
≪余談≫
中国では先ほどのようにまだ“輩べィ”を重んじていたので、
最近は中国も駄目ですが、相手を自分と比較してどの位置の
“輩べィ”に置くかで尊敬の度合いを表現していたわけです。
ですからみなさん経験あるかどうか分かりませんが、若く
見積もる?より年配に見積もった?方が尊敬しているという
証明?になりますので、若いお嬢さんでも「阿姨アー・イー」
(おばさん)等と呼ばれてショックを受けてたようですが、あれは
この「輩分べィ・フン」の成せるワザだった訳であります。
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