何故「福」の字が逆さまに? - 福到了!
先ずは、今日の「春運ツゥン・ユン」写真の一枚。
この人たち、恐らく地方から都市へ出稼ぎ
にきて、建設現場などで働き、春節の休み
を故郷で過ごすために、列車に乗り込もうとしているところです。
民工ミィン・ゴンと呼ばれるそうした地方からの出稼ぎ者が都市の
インフラ整備のために、大量に出かけてくる時代はどの国にもある
ようです。
都市に行けば仕事がある、現金収入が、お金になる。都市は経済
発展に追いついてない労働力不足をそれで賄う・・・。
そんな説明は兎も角、今日の一枚は何でこれか?というと。
分かりますかね?皆同じように手に持っているものがありますね。
これですコレ。コレ、何か分かります?彼らの荷物。この容器、
多分ペンキとかその他の建築資材用の要するに缶ですよね。
勿論その中身はもう使い終わっていて、カラになったものに自分たち
の持ち物を入れてるわけです。何故にコレなのか?が問題です。
この風景も実はよく見るんです。
中身はわたしだって知りません。問題はこの容器。この入れ物が
優れているのは、一つはタダで手に入る。外側が丈夫で中のものが
壊れない。取っ手もついてる。列車が混んでいればそのまま椅子にも
なる、という優れもの!!
多分、あと数年もすればこれも見れなくなるでしょう。そう言えば
♪そんな時代もあったよね・・・、という時代が来るわけです。
さて、今日はもうすでにご存じの方も多いし、こちらをご覧の方には
説明の必要などないようなもんですが、意外に落とし穴?はあるので
という話題です。
昨日の「春聯」の真ん中、ドアや窓にこの転倒「福」
の字が見られるのは、来るという意味の到ダォが、まさにこの転倒の
倒ダォと同じ音でして、そこで福が来る(到)を転(倒)させた「福」で
表現している、地口落ちの類のシャレです。
ですので、この点で、このやり方で、「春」の字を逆さまにしての
春が来た、とかのバリエーションも可能です。
こうした目出度い日に何を飾り、何を食べ、何を着るか、は
表意文字の国ではかなりこの地口落ちが取入れられることが多い。
同じ音で違うその字が充てられ、その違う方の問で代用される。
例えば代表、魚ユゥ。このユゥの同じ音の字で余があり、
年年有余・・・どんどん暮らしが良くなる、余裕が持てるように、
余=魚を食べる。
こうした地口落ちは実はかなりの数できます。
そして、地口落ちは余り複雑だと面白くない?んですね、
極々単純に、音が同じで、アッソッ!!てなくらいのやつが
受け入れられるわけです。
呼ばれるもち菓子、甘い系?のおかずには
ならんやつですが、こちらは何処でシャレてる
かというと、この後ろの変な字の糕ガォが、中国音、高ガォと
同じでして、上の例に倣って、年々高(糕)というレベルアップ
を願っているといった次第です。
あと、日本人にとっては上のだってそうですが地口落ちに
はならなくとも、中国人にとっては中国語発音でのシャレです
ので、そこはそれ外国語、ということで、
日本人が何で「鯛の尾頭付き」に拘るか?は、その目出度い
の度いにだけ、あるわけですから許してあげましょうよ。
ですので、この他にも鴨ヤァ、に関するものとか
鶏ジィに関するものなど、様々あるのですがその説明がややこしい
だけで、そんなのが沢山あって目出度い日に目出度い、或いは
あやかりたい、ものを食べたり飾ったりしてわけです。
日本で「福」が逆さに飾ってある、(そんな家あるかなぁ・・)
場所があったなら、そういう意味ですので一緒に祝ってあげましょう。
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