今週読んだ本、『中国モノマネ工場』-山寨革命
中国はいよいよ今日・土曜からの休みを利用
してのお正月帰省民族大移動に入りました。
その話題をこの一週間続けておりますが、
今日はちょっとその話題をお休み、今週読んだ
本を紹介しましょう。
中国お正月の話題はまた来週に。
さて、今日紹介のこの本、原題は『山寨革命』
サン・ザァィ・グゥ・ミィン。翻訳本です。
日経BP社発行。定価1800円。330ページ程度の本です。
阿甘ア・ガン著、徐航明シュ・ハン・ミィン、永井麻生子訳。
一部日本マスコミでもこの「山寨」というコトバを取り上げている
ものもありますので、ご存知の方もおありかも知れませんが、
日本の大方の理解はその報道に接する度に“コピー”“ニセモノ”
という理解で定着していると思います。
それも大概は中国発のニュースで、またまた・・・何てな定冠詞
が付いての紹介で、結論は大概、・・・凝りませんよね・・・ってな
紹介で締めくくられるのがその殆どです。
これに限らず大体はそれでもうその事を知った、理解した、と
勘違い?してる人が多いですが、その本当の実態や実際にはどう
なのかまでは考えない・・・ことになっている。
その意味ではこの本、なかなかに読ませてくれます。そうだった
のか!と納得の本です。
「山寨」とは、多分中国語辞典にも載ってないとおもいますが、
本来の意味は、山の砦。そんな山賊の山に築いた砦といえば、中国
では「水滸伝」の世界です。そんなところから、反体制の拠点、という
意味合いもあるのでしょう、このコトバ07年オリンピックを控えた頃
からポチポチ見られるようになりました。その頃から中国の新聞紙上
やマスコミのこのコトバ「山寨」の意味は、コピー・偽物・非管制・など
といった意味で使われ始め、今ではそちらで定着。
山寨商品の今、を伝えるに留まらず、
この本の原題が「山寨革命」と名乗
っているように、これは一つの生産
方式に対する革命だと著者は言う。
本をどう読むか、どう感じるかは、その人に依るので、興味が
あればご覧いただきたいが、ここではその内容に全て触れることは
できない。それは無理。諦めましょう。
全くの個人的感想を少しだけ書かせていただき、紹介したい。
我々はかなり頻繁にこうした中国の「山寨商品」のニュース
に接する。その度に、あああ~又か、と思う。
では、この提供されている「山寨」情報自体が、本当の意味で
オリジナルなものかというと、その情報自体が孫引きであったり、
伝聞であったり、何かで紹介されたものをまた紹介されいる、
それを見ている。あなたがご覧になっているその「山寨情報」そのもの
が怪しい?と気づいたことはありますか?
その情報は決して間違いではない。ウソでもない。日本の場合は
かなりその点に気を使うので、間違いを報道はしない。しかし間違い
ではないが真実でもない、としたら。
或いは、偽物ではないが、似た何か、だとしたら・・・。
この点を考えさせられた。
もう一つこの著者が言っている、
ピラミッド型社会にこの「山寨」型社会が取って変わる、という主張は、
それはまた・・・どうかな、というのはまだちょっと著者の言うことを
そのまま鵜呑みにはできないので、様子を見たいが、面白い視点で
あることは認める。この点でも面白かった。
さて、次はどんな「山寨商品」が、
また中国ではこんなんを造ってますよ、と紹介されるのだろうか。
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