急がれる水資源対策ー超巨大都市北京の水不足
一都市、二千万もの膨れ上がった人口を抱える超巨大都市はそれだけで、
様々な問題を抱えることになるのは、誰にも想像できる。
その中には生活の根幹に関わる問題が幾つかある。この“水”の問題は
その内の一つ、しかもかなり深刻だ。
加えて自然が相手ですので、なんともしがたい困難さがこれに加わり、
相当深刻な問題なのですが、どうも人間というヤツは問題に直面しないと
それに気づかず、或いは気づかないふりをして対処する傾向にある。
また、そのことに直面し困難を味わったところで、咽もと過ぎれば何とやら
で、一雨くればもう忘れてしまう。
今年も、年始めのころ北京はかなり深刻なカンバツに見舞われ、
どうする北京?と思ってたら、ぎりぎりのところで一雨きたし、その後は今度は
予想外の豪雨が時に降り、今度は水害問題と、極端から極端に動いている。
この極端から極端の触れ幅こそが恐れなくてはならない。
ですが、誰もがちょっと考えれば判るように膨れ上がる人口、二千万とも
なればその消費する水の量も増えこそすれ少なくなることはない。
学者の間では何でも数字にするので一人当たり水資源量という数字が
あるらしくてこれで見る北京の人の水資源量は可愛そうなくらい少ない。
これまでの北京付近の幾つかのダムではその貯水量でまかないきれてない。
そもそもが、そのダムに注ぎ込む水源が枯渇し始めている。
これは国家的大問題。一国の首都が水不足とは大問題、とばかり、
例の中国式遠大な計画と言いますか、途方もない国家プロジェクトとして、
中国の下を流れる、長江チャン・ジァン(揚子江)の水を専用水路を掘って
北へ流し、北京に供給しようという計画が真剣に会議の席上にのって、
確か承認されたはずですから、やるでしょきっと、中国のことですから。
当初は確かこの計画では今年2011年くらいに目処がつく予定だった
のですがこれほどの大計画ともなればその土地収用だけで大変でしょうから
私の記憶では確か2015年くらいに先延ばししたような記事を見ました。
これが解決策になるかというと、当面北京の水資源総量を確保するには
いいでしょうが根本解決策とはなりません。
それに、途中から引いていった長江流域は大丈夫かというと、これまた
万全じゃありません。
このやり方を病気で例えるなら、西洋医療式治療方法としましょう。
根本は、中国全体の水量の問題があります。
それには根本的な問題、緑化を促進し砂漠化を抑制し、
自然の力で解決できるのが、漢方的治療法として一番やらなくては
いけないことだと思うんですが・・・
自国の漢方的治療方法というのを是非思い出して採用してもらいたい
ものです。病状を見てその症状のみに対処するのではなく、何故
そうした症状が出てその根幹はどこにあるかを捉え、それに向けて
治療を開始する。こちらを漢方的治療方法としましょう。
漢方的治療をもっと見直すべきです。
一時中国の人たちが日本の水資源を求めて
土地を買う、ということが話題になってましたが
あのニュースの下地にはこうした水事情と、
もう一つ中国の水道水は直接飲み水とならない、
この二つの点があってのことです。
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