世界遺産・土楼 観光
少し話が飛びましたが、龍岩市という誰も聞いたこともないような町に
泊まり、更にそこから、バスで1時間半と言ってましたが、2時間かかって
永定県ヨン・ディン・シェンへ移動、県は日本では町のレベルでしょう。
そこの鳳城鎮フェン・チェン・ヂェン(鎮は日本の村の行政レベルでしょう)に
到着。やれやれ、やっとだよ。
龍岩からの長距離バスは、本来は多分幾つかの村を越えて行きますので、
その途中途中にはバス停などもあるのでしょが、そんなんは全く無視。乗客も
その地域の人が殆どで(多分私の乗ったこのバスの観光客は我々二人だけ)
「あーあそこで降ろして」とか「この先のホラッあそこで停めて」といた具合に
このバスほぼタクシー状態。更に途中手を挙げている村人を拾って、また、
手を挙げているオジサンは自分は乗らず、車掌に荷物だけ託す、頼まれた
方も毎日なのかどうか心得たもので、山一つ超えた辺りでその荷物を降ろす、
これって、宅急便代わりか。
ということで地元にとっては物凄く便利な、タクシー兼宅急便兼のバスは
山道を縫ってようやく、「土楼」前に到着。
車掌に「土楼を見に来たんだろう、降りろ!!」と言われる。
えぇ~、そんな脅迫まがいに言わなくとも、バスジャックじゃないんですから
降りますよ。ちょっと怖いお姐さんだったので、何も訊かず大丈夫かぁ~?
と思って降りましたよ。お店もあるようだし。此処かなぁ、と不安ながら。
と、ちょっと歩いたら見えて来ましたよ、あの写真で見たドーナッツ型の
「土楼トゥ・ロゥ」が。何だ此処でいいんだ、あのお姐さん案外ちゃんとして
たんだ!怖いだけで!脅さなくったっていいのに。
世界文化遺産に登録されたので、急遽
こしらえた門ですかね、コレ!
此処で門票モン・ピァオ(入場券)を
買います。通し件を買えと薦められました。
2日間(明日も有効だ、ということは明日又
来て見れると言うことか・・)にひかれ買いましたよ。いざ入場。
「土楼」は、それ世界遺産登録前から有名でしたし、その後も多数の観光客が
訪れてもいますし、テレビその他の報道でご覧になられた方も大勢いらっ
しゃって、「土楼」はきっと、こんなブログをご覧になる中国好き?の方は
一度はその写真なり何なり見ておられるでしょう。
何点か点在してますので、そこを巡る為の
電機自動車。一応こんなにも環境に気を
使ってんもんね、をアッピール。有料。
台湾からの団体さんが楽しそうに乗って
ましたが、な~にそんなに広いわけではなく、
これに乗らずとも充分見て歩けます。この地域だけですが。また他の、
というかクルマでちょいと離れた地域にはまた何点か土楼が。
こんな「土楼」の写真。円形ドーム型でして、
真ん中は中庭というか空間になってます。
大きさは思ったよりも大きくて、小さな野球場
のスタンド部分を三階建てにしたようになって
いて、中のグランド部分は中庭、またはそこにも
小さな建物や、井戸や、空いてる土地で家畜を飼ったり の造りになってます。
デジカメ写真になったからというもの、アレって何枚でも撮れちゃうもんですから、
気づかないうちにもの凄い枚数をとってたりして、自分でもなんだこりゃぁと
思うんですが、大概の撮影ポイントは皆さんそう変わりはなく、
もの。ここは中に更にまた建築物がある
タイプのもの。見えているグルッと囲む
その3階の内側に渡り廊下があり、そこを
通って移動、数箇所に階段があり、そこで
上下移動。柱が見てますが、それを一区切り
ぐらいにしてそれぞれ、部屋がありますので、部屋数として相当の数です。
オット、「土楼」の何たるかの説明を忘れてました。
ご存知でしょうが、一応。この建築物を「土楼」と呼んでます。土楼ですから
外壁なんかは土を固めて憑いて出来ています。
城壁と同じでその壁の部分がそのまま住居になっています。
客家、ハッカと日本では呼んだり世界でもそうしてますが普通話では
クゥ・ジャァと呼ばれる民族が、戦乱を逃れ自分達一族を守るために
造ったといわれておりますので、先ずその選定の地が山あいの、城市から
はずっと離れたそんな場所ですので、なるほど現在でもかなり不便な地域
です。わざわざそうした場所を選んだ訳です。更に一族を強盗などからも
守るため、あの形状、城壁型がよかったのでしょう。水の便が良い温暖な
外敵の少ない、そんな場所を選びに選んでのこの場所とこの建築物、
と言うわけです。それが1000年以上の時を経て、今度は世界遺産に
なった、と、そういうことです。
それで、先程申しましたように写真はもうコレデモかぁ~と言うくらい
撮ってきてあるのですが、全部は無理だし期待もしてないでしょうし、既に
ご覧になられたようなものも多いので、ここらを歩いていて私ならではの
写真を紹介しましょう。
土楼から土楼へ歩いて見ている途中ですね、
傍らの農家のような家の前がなにやら賑やか、
フラフラっと行ってみると、近所の人総出で、
家の前の池(泥沼みたい)の水を抜いて、
正にその中の魚(鯉かなぁ)を手づかみで
生け捕りしている様子。子供たちは、「ア~ソッチソッチ!!」と騒ぎ、
それを捕まえようとした大人が足を滑らせ危うく転びそうになり、大爆笑!!
お年よりも、お母さん達も出てきていて、歓声を上げる。
楽しそう。のどか。うらうらと気持ちよい陽が射し、水に入っている人でさえ
水がもう温いのかのんびりしている。田舎だなぁ。
今日はこの魚たちを使った、ご馳走になるんだろう。それもあってか
ひとびとの声が弾む。こんな暮らしが、こんな家族が、何世代も此処で
暮らしていたんだろうな、と思う。
「コレって今日何か特別な日なんですか?何があるんです??」
と尋ねた、先程のバスの車掌さんとさして年も変わらぬお姐さんは、
「アンタ旅行者ね、大体この頃に一度池の水を抜くことになってるの、
それに今日は××(聞き取れず)が帰ってくるし、特別よ。
ア~ッそれも逃しちゃ駄目!(池の中のオジサンに指示)
あの小さなのはスープにするととても美味しいの。アンタね、
時間あるの?あったらメンを食べていく?美味しいよ。」
エェ~全く見ず知らずですし、今ただ単に興味を持って尋ねただけの
そんな冷やかしの人にまでこんな親切にしていいの??
もちろん食べてなんか行きませんよ、それほどずうずうしくないし、
まだまだ見るところもありそうだし。
でもホラッ、ついさっきの怖いバスのお姐さんといい、
彼女といい、何でこんなにも違うの。
気候もいい、そんなところでのんびり育てば
こうなるってことか?
ンン~、でも家の前には高級車も
停まってますけど。金持ちなんじゃないの?
それにお姐さんいやに綺麗な北京語じゃ
ないですか。ホントにここの人かなぁ。
分からん事だらけのまま、更に奥え進んで土楼を見る。
凄い迫力。「此処に泊まる事もできますよ」の老婆の話にちょっとグラッと
来たが、ガマン。
今でも静かなのに、夜になったらどんなだろう。電機もきてはいるが
そう多くはない様だし。
日本だと此処を舞台に殺人事件が起きたりしての2時間ドラマの
舞台になりそう・・・何てなことを考えながら、
帰りのバスはちゃんと1時間半で着いて、戻った。
今日の研究課題、
人が優しい性格になるかどうかは、環境だろうか、
それとも家族の教育だろうか、
それとももっと後の社会教育だろうか、
優しさってなんだろう?あのバスのお姐さんのあの物言いも、
私に対する優しさだったかもしれない、
かもしれない。でも、怖かった。怖がらせるのは優しさか?、
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