“無料”について考えるー“免費”ミェン・フェイ
函館は、暖かい「立冬」(昨日11月7日)を迎えました。
例年にない暑い夏が終わったと思ったら、急に秋を飛び越して一時
一気に寒くなったものですから、これはどうなることやら、と思っていたら、
また少し戻りまして、今が秋といったところでしょうか。よかったよかった。
これもいつまで続くのかは分かりませんが、穏やかな「立冬」でした。
さて、今日から少し続くと思いますが、
先日また、新しい中国語の講座が始まり、講師を担当させていただいて
おります。
そちらへお越しの方や、普段協会の中国語教室に来られている受講生の
皆さんからの中国語への素朴な疑問に、新しい発見があったり、考えさせ
られたり、毎回楽しんでお話を伺っております。そんな中で、
気付いた中国語の面白話題を少し紹介して、中国語お勉強中の方や、
興味のある方に、参考にしていただきましょう。
今回は、「無料」について考えます。
日中双方で漢字を使っております。ですので、かなり筆談で意思の疎通が
出来ます。漢字のそのものの意味は、およそそう違わず、日中で音が
はずれている、とお考えいただいて基本間違いはないのですが、
時にその漢字の使い方、意味が違い、通じないことがあります。
その一つ「無料」は残念ながら、中国の人は全く近づくことが出来ません。
問題は二つありまして、先ず漢字の問題です。中国の漢字がご存知の
ように簡略化された漢字を使っておりますので、この「無」の字がどうなる
かというと、この画面では文字化け、という現象が現れ表記できないので
近い字で説明しますと「天」の字のようになります。「天」の右のはらいを
少し縦に持ってくるのですが、日本人が見た限りでは「天」の字と似てます。
この漢字自体の表記の問題が一つ。この「天」に似た字を、「無」
だと覚えておいて下さい。これかなり役立ちますので。
更に、この字は中国では、ウーと読みます。意味は、やはり「無い」の意味を
もちますが、それよりも「~する無かれ」や書き言葉として使われることが多い
字です。「無い」の中国語は有名な「没有」メェィ・ヨゥとなります。
「料」この字は中国でもこのままですが、全く「料金」の意味が持てません。
中国で「料金」を言いたいなら「費用」を使います。
「料」リァオは、推測したり、「材料」のような熟語に使われます。
さて、この二つが合わさっての「無料」中国語音、ウー・リァオは、
日本語の「ただ」に来れないばかりか、これを読んだ時の、ウー・リァオ
と同じ音で、「無聊」という単語があります。こちらは日本語でも
「無聊をかこつ」というのがあり、閑をもてあましてる、の意ですので、
こちらはほぼ同じ意味です。その音が近くて、
突然の「無料」は、「無聊」の字を書き間違えたのかと思われ、
なんで急に退屈だと言ってきてるのかが不思議な感じを中国の人は
もたれるのではないでしょうか。
そこで、中国の方にこれは「無料」ですからどうぞお持ち下さい、
といったようなことを伝えたい時は、
「免費」ミェン・フェイとなります。
「(一切の)費用」を「免じる」ですから、分かりいいです。
ということで、どうぞご自由にお持ち下さい、
という意味の時は、「免費」となります。
中国は日本ほど「免費」のものは多くはないのですが、
←こちら、中国ネット上で
「免費照片」(無料写真ページから
取り込んだ写真です。
「免費」を覚えましょう。
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