中国の独居老人問題ー空巣老人②
中国の老人問題はかなり深刻です。何せ、この国は何を取り上げても
その数が、他の国とは比較にならない規模でそれも一気に押し寄せるので
かなり大変です。
いまこの中国の、空巣老人世代は、それでもまだ、いい方でしてこの
後に莫大な予備軍を抱えております。
毛沢東が天安門楼上で中華人民共和国の建国を宣言する二週間前、
「観念論的歴史観の破産」と題する短い論文を書いた。国民党に対する
最終勝利を目前にして毛沢東の考えは向こう見ずなほどに膨らんでいた。
曰く、「中国の人口が多いのはきわめて結構なことである。このうえ
人口が何倍にふても対策は完全にある。その対策とは生産にほかならない」
と、この時点では自信をもってたようだが、これを聞かされた当時の若き
世代がちょうど今、高齢者となっている。
ですので、この後ろで爆発的に中国の人口は増える。
「父や母の気持ちを我々は分かってのか?
忙しい日々から逃れた時、ふと、
家でじっとしている年老いた父母の親ことをふと思い出す。」
は、空巣老人のうち取り分け、連れ合いを亡くされてからのお独りで暮らす
老人の問題にスポットをあてています。
記者が実際に取材に出かけ、数人のそうしたご高齢の方のそれぞれの
暮らしを書いています。なかなかいい文章です。
お一人目は、 出門一把鎖、進門一盞灯
それまで、綺麗好きで何かと世話を焼く郭おばあさんは、たまたま出かけた
散歩先で転んで大怪我を、入院。退院はしたもののその後も何かと生活には
不便。早くに連れ合いを亡くし、女手一人で息子を育て上げた。貧しかった
ので、息子は学校へろくに行かず、小さな商売をして生計を立てている。自分
の怪我で息子にも迷惑かけた、敬老院へ入ろうかどうか迷っている。
誰の世話にもなりたくないが、体が言うことをきかない。経済的問題もあるが、
世話をしてくれる人がいないというのが一番の問題。気持ちが暗くなり、何も
する気になれず、孤独感、食欲減退、誰とも話さない日が続いている。
もちろん、ご高齢でも健康な方はいらっしゃる、そうした方も紹介され、
更には、経済的問題、月1500元の方もおられれば500元の方もいる、
でも、老人一人だけの食べるだけの暮らし向きはそれでも出来る、という。
では、何が
還是自己過舒心 やはり独りで暮らすが楽、
というお年寄りの嘆きは、
子供たちとも一緒に住んでみたこともある、だが、
それも上手く行かなかった。
独り暮らしに甘んじるが、それにしても
この孤独感をどうやって紛らわすかが、一番の問題、と締めくくっている。
こうした、老人の問題はどこの国にもあって、それなりに問題になって
いるのでしょう。
私が見ているのは、日本と中国の二つの国のこの問題ですが、
感じるのは、
急速な高齢化、さまざまな要因でその国の世代構成にアンバラが生じ、
高齢者と若い世代の比率が酷く偏ると、個々の家庭の問題に加えて、
こうした国としての問題が更にそれに大きく覆いかぶさることとなり、
問題を大きくもし、複雑にもしています。
もう一つは、欧米の人たちはその精神的規範と、拠り所を宗教に求め
実際、宗教がそれを担って暮らしています。常に神とともにある人たちと、
日本人を含め周辺のアジアの国々にはこれがありません。
ですので、この点でもアジア的老人問題の対処法は、ヨーロッパや
アメリカの人たちと違った自分達にあった解決策を模索する必要があるの
ですが、ともすれば日本は何でも独自の考えやスタイルを放り投げて、
他所からの借り物で何とか急場を凌ごうとしますが、今回のこの問題も
それでは、巧く行かないと思います。
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