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2010年7月17日 (土)

「北京陳情村」の人たちはいま何処へ?ー今週読んだ本

Beijing_2  この本は

 『北京陳情村』 田中奈美著、

   小学館刊

  奥付では2009年3月

 になっていますが、

  私が購入したのは昨年の冬。

 直ぐに一度読んで、今回再読。

  再読でも、読後の感想は、今、この人たちは何処で、如何しているだろうか?

   という暗澹たる気分です。夏なのに。

    日本でも一時、テレビなどで、ここの「村」が紹介されたり、取り上げられたり

  していましたが、いまとなっては、誰も何処の局にも取り上げてもらえません。

    是非お願いします。どこかのテレビ局の方、週刊誌の方、「その後」の

  報道を企画してください。

   

   その前の報道をご覧になられた方はまだ記憶におありかと思いますが、

   日本での職を失った人たちの「テント村」とは全く違う「村」なのです。

   何故「北京」かというと、「北京」でなければなりません。「北京」が政治の

   中心ですので、「北京」にのみある「村」なのです。

    実は何処の国にもあるにはあるのですが、それが顕著なのは経済成長

  著しい国こそが突出している、さまざまな問題。

    土地の強制収用、冤罪、国営企業の不正、役人の腐敗、等等・・・

   あらゆる理不尽な迫害を受けた人たちが集まるのがこの「村」です、

    中国には「人権がない」「弱者の権利がない」「救済の道がない」、

   それでも訴えずにはいられない人たちが、「北京」を目指し、集まる。

   集まったからといってこの人たちに何か力があるわけでもなく、希望が

   あるわけでもない。でも虐げられたそうした人々は肩を寄せ合い、自分の

   訴えがいつかは取り上げて貰えるだろうとの淡い期待を持ち続けて

   その訴えが長くなり、あたかも訴えることがその人の仕事のような可疑しい

   日常がこの人たちが集まる「村」には漂う。

    私もこの北京南駅近くの「陳情村」を以前、通り抜けたことがあります。

   もちろん通り抜けただけでは何にも分かりませんが、その異様さは十分

   感じられました。

    「陳情制度」そのものがどうなっているのか私達には分かりづらいのに

   加え、当たり前ですが、「陳情者」たちの問題は全て個々に違い、その

   ケースも重さも訴えている時間も全部まちまちでしょうから、

    せめてこれを整理して、緊急をつげるものがどれくらいあるかぐらいは

   政府が窓口を作ってやれないものかと思います。

     この本は発行年度かも分かりますように、実際にこの「村」を著者が

   取材されているのは08年のことです。

    つまりあの08年8月8日の北京オリンピックを間近に控えたそんな

   時のことです。

     テレビの取材などもオリンピックを前にしての中国話題の一つとして

   この「村」が取り上げられていたのですが、

     「オリンピック面子」の為に、恐らくこの「村」は一旦解散?させられて、

   さて、いまどうなっているのでしょう。

     今度北京に行ったら例の場所を見てみようとは思ってますが、

   北京はいま、新しい駅がまた出来ていまして、それでもやはり元のあの

   北京南駅のあの場所に「村」はあるのでしょうか。

     広い中国、その陳情者の数も、陳情となる事件・事故のケースも

   多分、毎日のように発生していると思うのです。

    なのに、「陳情村」に来て、運良くその「陳情」が取り上げられている

   人は一体毎日平均何件あるのか知りたいものです。

北京陳情村

買ったきっかけ:
あるのは知っていたが、実態が分からず前から知りたいと思っていた。

感想:
丁寧なルポでよく書けていた。でも、その解決策は見つかっていない。

おすすめポイント:
中国に限らず、反映の影にある、負の部分にも目を向けるべきです。

北京陳情村

著者:田中 奈美

北京陳情村

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