中国の”本”は高いのか?
一昨日に、「値上がりを続ける中国書籍」ということで書きました。
中国は今、書籍に限らずですね、物価が相当の勢いで上がってきてますので、
書籍もその値上がりは免れない、というか、前日のブログで書きましたように、
私の個人的感覚では、以前が安すぎた、不当に安かった、と思ってます。
それで、
まず何で突然この話になったかといいますと、
毎年夏八月に上海で「ブックフェアー」
が開かれます、他の都市でも同じような
事をしてるでしょうが、
たまたま私が知ったのは上海だったもので、
まもなくその八月ですよね、
また上海は今「世界博」の最中。この夏休み上海へ、と計画中
の友人がおります、彼もまた本好きです。その話で盛り上がり、行くならちょっと
お願いして買ってきて貰いたい本があって、そのリストを彼に私、大体これ位の
予算で間に合うだろう、ということで二人の間では片付いてたのですが、
その友人の更に中国人知人が、今中国は書籍の値段が急騰してるのでこれで
買えるかどうか不安、という連絡が入りこの話題となりました。
話を本題に戻します。
その”本”が安いかどうかはそ”本”の中身による、という特殊な感覚を別に
すれば、一般的に言ってごく乱暴に言えば、大体今の極々普通の?”本”
の値段帯が20元~30元(300~)位のところにあるとして、
これまた物価などもあってこれが直接高い安いを比較するのは大変困難が
ありますが、ここまで来たら多少無理を承知で進めると、
日本小説をこれまた乱暴に1000数百円~2000円の間としましょう、
とするなら、日本の”本”は、一般的収入(これも難しいがこれまた乱暴に
例えば計算しやすいように20万としましょう)の100分の一です。
一方中国は月収(これまたまた乱暴に2000元とするなら)の矢張り
100分の一、とするなら差がないようにな話になりますが、
一方中国では全体他の物価が安いので、例えば上の本の値段で
外食ができます。ほぼハンバーガー1個、タバコ1箱、タクシー基本料金
に(これまたかなり乱暴ですが)値します。
片や日本で、上のようなハンバーガー、タバコ、ではとても本が買えません。
ということは、中国の”本”はまだ安い、ということの証明になりそうです。
しかし、中国の人たちは多分そう思ってません。
その理由は、一つは以前と比べるから(以前が安すぎた。)
他の物価と比べると(外食など食べ物の値段が日本にくらべ安いから。)
更に、こちらは中国の特殊な事情なのですが、
同じ出版物でも、すぐに海賊版が出ていて、それがまた著作権の飛ばすので
相当安いのが出回る、
本の定価販売が確立していない、などの問題もあり、
中国の人たちは、”本”が高すぎる!!と言ってますが。
いえいえまだ安いです。日本に比べれば、かなり安いです。
但し、私も中国の人に同調するのは、前が安かったので急に高くなるのは
単に印刷技術が進歩し、紙質が良くなり、ブックデザインが急に垢抜けた
だけのせいとはいえないと思います。
問題は急激に出版点数が増えた中国では、玉石混交といいますか、
値する”本”もあれば、値しない”本”も急激に増えたということでしょう。
これは、読者の側の眼力の問題でもあり、
出版側、販売側の良心の問題でもあります。
ですので、これが両者の選択を経て少し落ち着くまでは時間が必要です。
ということで、友人に頼んだ本はそのままになってますが、
自分で行った方が早いかなとも考えてはおりますが、そうなると今度は
友人から私が、色々頼まれそうです。
実際に手にすると欲しくなる本というのが
あるんですよね、これが。
また、ちょっと信じられないでしょうが、
私の場合は時折ですが、内容・作者・ジャンル
に全く関係なく、そのブックデザインが気に入って
買っちゃう、という無謀な買い方もあるので、
本好きにとっては「ブックファー」は危険この上ない場所となります。
”本”は好い本にあたりさえすれば、本当に安いものなのです。
もっと払ってもいいと思わせるそんな本が少なくなっているのは
確かです。
(お断り:上の中国の本は全て大陸の出版物を指しています。
台湾出版本はこの限りではありません。物価も違いますし
台湾出版本は限りなく(物価・レート格差を計算すれば)
限りなく日本の書籍値段に近づきつつあります。)
| 固定リンク
コメント