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2009年12月 2日 (水)

高等学校での中国語教育ー市立函館高校・中国語講座終了

  市立函館高等学校での「中国語講座」の授業が終了いたしました。

 こちらは、市立函館高等学校が、学校指定科目の試みとして、今年、

 「韓国語」と「中国語」を三年生対照の選択科目として取り入れたものです。

   4月、学期が始まったと同時にスタートし、3年生は12月を迎えこのあと

 の授業が不定期な点や、卒業を控え様々予定が重なるため、11月末までを

 講座の期間として、週2コマの授業でスタート致し、この度、その授業が

 終了致しました。

    学校の皆様に暖かく迎えていただきましたこと、

    生徒達と大変楽しい授業ができましたこと、

    いろいろ配慮をいただき、無事期間を終えることが出来ましたこと、

    心よりお礼を申し上げます。

   まずは、この様に学校カリキュラムの中にアジアの言語を二つ組み込んで

  下さった試みにお礼を申し上げます。

   昨日のここのブログでも書いておりますが、各地でこれまでになかった

  アジアの言語を学校教育の場で教えておられる先生方も増え、その

  ネットワークが出来るような時代になって参りました。

    更に、中国に限っていうなら、今後「中国語」の占める割合は益々その

  必要性を高めて行くことは、すでにもうその兆しが見えております。

    また、言語に限らず、異文化理解の重要性はとりわけ、学校教育の

  ような場で若い人達に知っていただく場を提供できることは、つとめてそうした

  場を多くもつように今後もすべきと考えております。

    異文化理解の一番の近道というか、一番の”道具”こそが”言語”であり

  ”言語”はその民族の文化を代表し、具象化しているものである、

   との考えから、

   また、私ども協会の活動の柱として、よく隣国を理解して貰う活動があります。

  それは、単に好い面ばかりを見るのではなく、その歴史や文化の成り立ちから

  なぜそうなるかを理解する、好きにつけ悪しきにつけ、人間のやっていることは

  どの民族にも長い歴史があり、習慣が出来上がり、民族性が形作られ、現在

  に至っています。

    ですので、現在だけ見て、また、その表面だけ見てはその国を理解でき

  ませんし、向うからも理解されることはないでしょう。

    世界は益々狭くなり、人と人の交流は益々盛んになり、物はもうすでに

  何の境もなく使っていますし、情報も瞬時にして世界を駆け巡る時代となり

  ました。

   これからの若い世代が、もし関心をもったら、或は関心を持つ様に

  学校教育の場に、アジアの言語があり、選択できることは、私はとても

  大切なことだと思っております。

   すでに大学は殆どの大学が「中国語」を選択できる環境が整いつつ

  あります。そして、今は高等学校の部分でこうした動くが見られれるように

  なって参りました。

    良い時代と思います。

   作家・井上靖さんが、相当前の話になりますが、

   それまでは、大人の読み物としてしか出版されていなかった

   中国古典を編むことになって、井上さんは訳はしませんでしたが、編集に

   携わり、水滸伝・聊斎志異・史記などを出版するに当たり

    「私が学生の頃、もしこうした作品が子供向けに分かりやすい訳で

     出版されていたなら、私の人生はまた別のものであったかも知れない」

   というようなことを、確か出版された本の帯に書いておられました。

    環境を整える、というのが大人のある役割だと思います。

    それを若い人たちに提供できる。そうした環境作りこそが大人に課された

    役割なのかも知れません。なぜなら、学生達にはそうした場がないから

    です。

    今回の市立函館高等学校の授業は、生徒さんの数も少なく、大変贅沢な

   授業をさせていただきましたし、どの生徒さんも大変興味をもって話を

   聞いていただけましたので、教える側から言わせていただいても、

   有意義でした。授業はよく言っておりますが、教える側だけ独り張り切っても

   ダメでして、教える側と教わる側が同じように、教えたいことと知りたいことが

   上手くかみ合ってこそ、授業は楽しく、です。

    このことは授業に限らず、古代から孔子もものを教えるとは何かを

   言っておりますし、よく言われるように、水を飲みたくない馬に水を飲ませる

   のは大変だ、というのと同じです。

 Ke_ben

 今回使った教科書は白帝社刊

  その名も『高校中国語』という教科書ですが、

   中国はすでにこのように高等学校向けの

   テキストが出版されるほど、全国での授業に

   取り上げられており、その必要性もあった

   こうした教科書も数年前から出版されております。

   この教科書は右側に〔第2版〕とありますように、すでに版を

   重ねておりますし、このほかに、若い世代に向けて四角に訴え

   る、カラーイラスト満載のものや、他の出版社でもそれぞれ

   特色のある教科書が出版されている、

    もう、時代はそんなところへ来ているのだ、ということを

   知ってもいただきたいと思います。

    市立函館高等学校の、全ての先生に、

    この「中国語」講座の企画を図ってくださった先生に、

    こころよく取り入れてくださった、教頭先生・校長先生に、

    お世話をいただいた、事務のみんさんに、

    直接お世話をいただいた、松木先生に、

    そして、何よりも長いこと毎週毎週楽しい授業がもてた、

    「中国語」講座を選択したくれた生徒のみんなに、

      お礼をもうしあげます、

      ありがとうございました。

          函館日中友好協会

        会長   東出  隆司

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