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2009年9月 5日 (土)

お薦め中国小説本、『兄弟 下』経済開放篇

Xong_di  この本は、上下巻2巻でして、先週この上巻を紹介して

         おりますので、一週間前のこのブログを見ていただけると

 ありがたいのですが、

  今日はその続きで、下巻『兄弟』余華著、文芸春秋刊 は

  上巻が文革篇でして、この下巻はその後、李光頭が経済開放の波に

  のり大金持ちになるんですが、一方 宋鋼が苦悶の日々を送り、最後

  には自殺、林紅はその間で・・・、という内容なのですが、

   私がとやかく言うより、作者の弁を聞きましょう、

  「 長い間ずっと、こんな作品を書きたいと考えていました。極端は悲劇

   と極端な喜劇が一緒くたになった作品を。なぜかといえば、この四十年

   あまり、我々の生活はまさに極端から極端へと向かうものだったから

   です。」 さらに

  「 自分が人びとの美意識と道徳観念を逆なでする作品を書いたことを、

   私は知っています。ますます多くの人が優雅こそが文学のスタイルなの

   だと慣れきってしまったとき、私は言いたいのです。粗野であることも

   同じように文学のスタイルであることを、ますます多くの人が自分たちの

   生活はブティックとカフェでからなっていると考えるとき、私は見せたいの

   です。見るに堪えないような光景のほうがブティックやカフェよりもずっと

   普遍的なものであることを。ますます多くの人がいかにして自分をごまかす

   かを学んだとき、私のペンはいきいきと、あるいは赤裸々に動きはじめる

   のです・・・。私の書くものは、人々が幸せな夢の世界に入り込む寝入りばな

   に、突然ベルを激しく鳴り響かせる時間通りにならない目覚まし時計によく

   似ているかもしれません。・・・」

Yu_hua  北海道新聞、佐々木記者(当時北京駐在) のインタビューに

         この作者が答えて、

         「文革も改革開放も狂った時代、中国は何をするにも

          狂った方法で進める」。

          ( 上、作者近影も佐々木記者撮影 )

    人間が幸せだと思えるそんなひと時は、この二人の兄弟にとっては

   逆境のなかにあり、何もない苦難の時代に二人が寄り添って生きた

   その生きる実感から、李光頭は最後にその時代にまつわる宋鋼との

   想い出の品々を破格の値段で買い戻すのですが、

    過ぎ去った日はどうしたって戻りません。

    切ない、そんな三人を思うとき、一番不幸なのは成功した李光頭なの

   かも知れません。

     ぜひ、一読をお薦めいたします。

兄弟 下 《開放経済篇》

買ったきっかけ:
上巻につづき、この巨大の運命は時代に波に振り回される、その文革後は、上巻とはうって変わって・・・。

感想:
悲劇と喜劇を分けて一気に書き上げた作者は、実は悲劇の中に暖かいものがあり、喜劇の中には悲しいものがあるという、書き分けが素晴らしい。

おすすめポイント:
上下巻2巻ですが、一気に読めます。

兄弟 下 《開放経済篇》

著者:余 華

兄弟 下 《開放経済篇》

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