中国17歳の作家が描く中国『上海ビート』-今週読んだ本
先週もそうですが、
中国現代小説が
続いております。
実は先週のがあっての
これなんですが、もう一度
読み直してみよう、
ということで、この本です。
この作家は1982年
生まれですね、
17歳の時にこの本を書いてデビューしいきなり
ベストセラーとなっって著者・韓寒 ハン・ハンの名前が一躍
マスコミなどでも取り上げられるようになったようです。
われわれが外国の小説の翻訳本を手にするとき、とりわけ
こうしたベストセラーになったものは、翻訳本が出やすいですし、
何かしら社会現象とも相まって話題を呼んだ本が翻訳され、初めて
目にするわけですが、地味でもっと好い本があったにしてもそれは
なかなか翻訳されません。
ま、でも当たるということはそれだけの何かをその作品は持ち合わせて
いるのでしょうから、それはそれで、それも含めて読み解けば好いのでしょう。
さて、この小説。先週の『兄弟』とはまるで趣が違います。
若いからこそ書ける、という題材がありますし、若いからこそ書ける勢い
もあります。そういう意味でこの本が、中国(上海)の今を若いこの作者
の目を通して見ることはできる。
何か物足りなさを感じるのは、それは社会がいまそうした時期にあるのだ
とも言える。
日本でも若くして作家デビューし、注目を集める若い子がたまに出るが
どうも同じものを感じる。
それげ若さだといってしまえばそれまでだが、
この本で400ページ以上を費やして私に訴えかけたものが、
中国も随分と変ったものだ、
というくらいのインパクトだとするとちょっと淋しい。
いずれにせよ、この子は今後ももし作家活動を続け、
若さゆえ、でないそんな年になっても書いてるものがあったとしたら
その時はまた読んで見たい。こっちが生きてればの話だが。
| 固定リンク
コメント