『水滸伝』と『三国志』
函館は今日は雨です。朝のうちは霧雨程度だったのがだんだんに強くなって
きましたよ。櫻も終わり、人々のお休みも終わり、一息といったところです。
昨日は午後、また地元のFM局いるかさんにおじゃまして、中国の話をして
きました。お聴きになられた方もいらっしゃると思いますが。
ハッシーとの冒頭の部分で、ハッシーが映画『レッド・クリフ』を見ての感想を
少し述べて、そのあと、中国の歴史物に関する簡単な感想も添えてましたが、
映画『レッド・クリフ』は興行成績も良いらしく、それなりに見られているようですし、
それぞれのご感想もあちこちで、見れますし聞こえてもきますから、まぁ、それぞれ
のご感想をおもちのようですので、それで好いと思うんです。
余り、映画と原作の違いをあげつらっても意味がありませんし、映画は映画で
一つの作品と思えばよいことでして、私はどちらかと言えばその点は余り執拗に
は取り立てない方です。
そして、ハッシーから『水滸伝』の話もふられたのですが、どうしようかな?と
迷いました。コレ、話し始めるとそれなりの時間が必要ですし、聞いてる側にその
根底の部分で共有したものがないと何の話やらサッパリ、となりますので、
あそこでは話しませんでしたが、ちょっとそこんところも、話したら面白いんですが・・
『水滸伝』は私はきっと、四人の訳本で見ています。
ただ、一番新しい、三年前に全19巻で完結した、北方謙三の『水滸伝』は
訳本とはいえませんね、彼、北方謙三の『水滸伝』です。
彼の『水滸伝』の話をちょっとしたかったですが、どうなんでしょう、どれ位の方が
お読みなっているのか。
この『水滸伝』はある意味革命的でした。登場人物は一応原本に習ってますが
原本には出てこない人たちが大きくその位置を占め、官軍側に青蓮寺という
秘密機関を登場させ、これと梁山泊との闘いが柱になっている点と、
原作ではとりわけ時間軸が曖昧でしたが、これを時間がそのまま流れるように
した点と、各地での紛争・出来事をその時間軸に乗せて、時に同時に時に分けて
書かれている点で、この作品は原作『水滸伝』を下敷きにした、全く?新しい
北方謙三の『水滸伝』と言っていいでしょう。
そして、この作品は原作をも超える、素晴らしい出来上がりでしたので、
変な感じですが、日本文学界にあって、ここ数年の間における優れた収穫の
一つとなっていると思います。ただ、それが原作があるだけに評価がまた
違ったものになっているのでしょうが・・・。
彼は『三国志』もその前に書いてますが、そのできばえより秀逸でした。
原作『水滸伝』は読んでもらうと分かりますが、面白いんですがその面白さが
実は伝わりづらい、そんな作品なんですね。
ハッシーは、妖術使いがたくさん出てくる作品と、言ってましたが、
確かにそんな感じでして、それを北方作品はぐっと現代に近づけたと思います。
どうぞ、機会がありましたら、北方謙三の『水滸伝』読んでみて下さい。
お薦めの一冊?(本当は19冊)です。
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