日中友好協会 新会長 に 加藤紘一氏 が
日中友好しんぶん 『日本と中国』 より
7月3日に開かれた(社)日中友好協会の第7回通常総会では、
平山郁夫前会長が名誉会長に
加藤紘一前顧問が会長に選出され、新しい執行体制がスタートした。
野中広務前名誉顧問は辞意を表明、名誉顧問を辞退し退任
することになった。
総会後に開かれた懇親会では、駆けつけた崔天凱駐日中大使ら
来賓や役員・正会員を前に加藤新会長が力強い”第一声”に
就任の決意を込めた。懇親会での新会長あいさつの要旨は
次ぎのとおり。
加藤紘一新会長 あいさつ
平山先生の後任として会長という重責を担わせていただくことに
なり、大変な名誉であると同時に、この重い仕事をしっかりと実効の
伴うものにしていかねばと、覚悟を固めている。全国の会員の皆さま
のご協力とご尽力を切にお願いしたい。
私が大学に入ったのは、日本の社会が外交問題で揺れた60年安保
闘争の時代だったが、どうしてあれほどのエネルギーが噴出したのか、
また、どうして多くの人々が社会的関心をもったのか。振り返ってみると、
理由は二つに集約されるように思う。一つは平和でなかればならないと
いう願い。もう一つはアジアの中での発展を考えるなら、日本はアジア諸国
との関係をしっかり構築しなければならないということ。
日本の針路はどうあるべきなのか、当時まだ二十歳そこらの若者に答え
が出せるはずがないのだが、東京出身の同級生たちは割り切っていて、
大学時代は左翼でいい、社会に出たら”右”になって良いポジションに就けば
いいと言う。けれど、東北出身の、藤沢周平描く庄内藩士の末裔に属する私は
そういうことが出来ない風土で育った。そして、中国を勉強しよう、中国との
かかわりを自分のライフワークにしようと決意して外務省に入った。
さまざまな出会いがあり、私も齢を重ねたが、以来、私は日中関係という
ことをずっと考え続けてきた。変わらずに日中関係は私のライフワークだ。
再び戦わない。互いに経済発展しても円滑な両国関係でありえるように
したい。互いがもっている尊敬すべき伝統文化をしっかり分かり合えるよう
にしたい。そんな気持ちでずっと活動してきた。
会長という職をいただいたが、名誉会長として座っているだけではなく、
できるだけ創造性豊かな活動を通して、日中関係をスムーズでいい関係
にしたい。そして、その素地はよく見ると日中双方にしっかりあると思う。
ただ、いろいろなパーセプション・ギャップ(認識のずれ・解釈の違い)
や誤解がある。これを解いていかなけらばいけない。
簡単な仕事ではないが、国民のエネルギーが日中の良好な関係づくり
のために発揮されて、アジアの素晴らしい関係を構築できるよう頑張って
いきたいと思う。しっかりしたエネルギーを持って、アクティブにやっていき
たい。創造的に日中関係をより前向きにしてゆくために心ひつに頑張って
まいりましょう。
(7月3日、東京・千代田区KkRホテル東京
(社)日中友好協会 第17回通常総会後の
新会長あいさつ)
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