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2008年6月20日 (金)

中国四川、緊急救助隊現地通訳者 の 感想 ②

( 日中友好新聞 『日本と中国』 6月15日号 

               前日の記載部分の続き)

 ■ 猛暑の中で

  17日深夜、北川県に移動。18日は30度を越す猛暑のなか、

 倒壊した北川第一中学校での作業が続きました。四川省綿陽市

 消防隊、北京市消防隊と私たちの3チームの共同作業でしたが、

 これは、きっと救援現場でのはじめての中日連携だったのでは

 ないでしょうか。

  作業が進むにつれて、チームワークが生まれ、中国側が日本

 チームから道具を借りる場面もあって、チームプレーは充実して

 きます。通訳も必要に応じて危険な崩落現場に入ることもありましたが、

 6人の通訳の誰もが不思議に全く身の危険を感じずに、隊員たちの

 救助作業をどうしたらサポートできるか、それだけを考えるように

 なっていました。しかし、運び出されるのは生徒の遺体ばかりで、一人

 でもいい、生存してくれたらと、そればかりを願いながら作業を続ける

 ことになりました。

  第2陣(29人)も到着し、テントも設営されて、食事も日本から運び

 こまれたインスタント食品に変わりましたが、私たちのためにJICA

 と日本大使館のスタッフがお湯を沸かしてくれたり「後方支援」に

 努めて下さいました。

  ■ 国の枠を超え

  19日、朝の強い余震や上流のせき止め湖決壊の恐れから

 撤退の命令が下されました。

  待機中、ひとりの若い隊員が私たちのところへ来て、救助時に

 使う中国語を教えて欲しいとのことです。

  私たちが必要なことばを発音すると、彼はノートに一つ一つ

 書き込み、何度もその発音の練習をします。「もっと救助活動に

 役立ちたい」という気持ちが伝わってきて、私は、日本人のまじめさ

 はよく知ってましたが、あらためて、胸にこみ上げてくる熱いものを

 感じました。

  5日間、救援チームのかたがたと行動を共にし、隊員たちとも

 仲良くなりました。

 「人の役に立ちたい」というやさしい心があれば、国を問わず、

  民族も問わず、お互いの気持ちは通い合います。

 今回の日本国際緊急救助隊救援チームは国という枠を超え

  ました。その人道的精神に多くの中国人が心打たれたのです。

 ■ 高い倫理観

  隊員の皆さんと別れたのは成都でしたが、皆さんから口々に

 「ありがとう!」といわれた時、わたいはうれしくて、

  通訳の仕事をやっていてよかったと思いました。

 礼儀正しく、職務に忠実で、人のために尽くしたいという高い

  職業倫理観。

 「ありがとう!」と言うべきなのは、私たちの中国人のほうなのです。

             以上。

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