胡 錦涛 主席の 訪日
中国の 胡錦涛国家主席が 来日しています。
ビックニュースですので、当然各新聞・マスコミこぞって
このニュースを扱っております。
情報量としては、もう既に相当量のものがありますが、
これだけの大きいニュースですので、ここでも少しだけ
違う観点から触れさせてもらいましょう。
お隣の国とのトップの行き来が10年間途絶えていたというのも
ちょっと、そのこと自体がどうなの?という感じなのです。
よしんばどんなに憎んでいたとしても、ですよ。
況や国家を預かるトップが行き来しないというのは異常でしょう。
一方で経済や文化の面では、往来がますます盛んになり、
取分け経済的には、双方その依存度は相当のもので、今回の
ギョーザ問題などもその一端といえます。
両首脳が、何処かの国へ双方出かけていて、そこで会って
知らん振りも出来んから、そこで話し合いをするというのと、
こうして正式に訪問するのとではまるで違うということです。
その意味で今回、胡錦涛主席が、5日間という割とキチンと
した日数を訪日に充てている点、訪問先が日本特定され、何処か
へ行くついでとか、行って来た帰りとかではなく、日本訪問の為の
訪問である点に重きがあると思います。
今日あたりのマスコミの論調は、「何の?進展もない」との論評
ですが、両首脳が会って共同声明を出すということは、その声明に
そんな細かな問題が明記されるはずなど無いのでして、声明は
将来に向けても残るものですから、あの程度の内容と表記の仕方
であることが当然で、むしろ私が注目したのは、
今回、所謂歴史問題がまたぞろ取り上げられその表現も巡って
両国が細かな表現上の問題でギクシャクするということが必要ない
くらい、歴史問題はアッサリしていた点と、二国間の関係を将来に
向けてどう方向性を持っていくかに力点があったという、これまでの
首脳会談とは違った新しい段階に入った点が、10年の間隔を置いて
互いに学んだことなのでしょう。
ギョーザ問題は、首脳同士が片付けるというより、事務方というか
専門分野の問題でしょうから、胡主席の「一定要査清楚」(必ず明らかに
する)と共同記者会見で言ってますから。それでいいのでは。
トップがそういえば、あとは現場の人たちがそれに添って片付けると。
オリンピック問題での質問で、福田首相はその開会式への出席と
問われて「ん~、まだ先の話でしょ・・・」の答弁や何かを含めて彼の
言い方は非常に含みが多くて訳しづらいですね。通訳泣かせのところが
あります。100日を切ったオリンピック開会式がそうそう先の話でも
ないし、一国の首相の予定がその程度の先の予定を組んでないのか、
それとも、それまで自分が首相でいるかどうかすら今は分からないから
返答しづらいということなのか、
それなのに、ガス田での問題のところでは、通訳を一端さえぎっても
途中で割り込ませて成果進展を強調してましたが、その進展中身は言えない
というトンチンカンな、成果強調。どうも彼の話しの持って行き方は、
中国語に限らず、外国の人に理解してもらうには分かりづらいと思います。
まあ、日本人の我々でも少し歯切れが悪いなあ、とは感じますが。
歴代、中国主席の中でも時代でしょう、胡錦涛主席の中国語は分かり
よく、なんせ毛沢東は勿論、鄧小平、江沢民でさえ、訛りが酷くて中国語
そのものが聞き取りづらかったのが、胡主席になって画期的に判り好い
ものとなり、話すスピード、区切り、内容、通訳を付けての話に慣れて
いるのがよく分かります。
この後の予定も、大学での講演や、奈良の寺を訪ねるという、これまた
以前であれば中国首脳が必ず訪れていた最先端技術をもった工場見学
といったところへ行かないのも、これまでと違ってます。
もうそろそろ、そいう日本の技術ばかりを学ぶのではなく、両国の文化
交流の歴史跡を訪ねる、経済優先からの脱却が見えます。
ついでですから、パンだの問題にも少し触れておきましょうか。
あれは、本当にたまたまですね、主席が訪日されるほんの数日前に
パンダが死んじゃうという予期していない、主席の予定には何も無かった
事態が発生して、上野の動物園にパンダがいなくなっちゃった。
折りしも、主席訪日が迫っていた。パンダ・パンダと騒ぎ出したのは
日本側です。当り前ですが中国側にとっては全く問題になりません。
さて、せっかっく来るのに何か土産話がいるし、パンダがいいんじゃないの
と囃し立てたのも日本側です。そうまで言われて何もしないのは意地悪で
しょうから、中国にしては画期的に急いで考えられないくらい早い決断で
「パンダいいですよ」と主席が言った。それも、これを目玉にするのは
適わんから、日本ついて直ぐにその話題を出し、快諾。本筋の会談の
前に片付けちゃうという気の使いよう。
そうなったらなったで、マスコミが今度は騒いでいるのはそのレンタル
料が高いんじゃないのと。でも、そんなのこの話の前に分かってたでしょ。
東京都の税金・・・と、論調が変わってきた。でも、もし今回全くパンダの
話題が出ない或いは、パンダは駄目と言ったらそれはそれで、どんな
非難を浴びせるのか、どうもやってることが目茶苦茶です。
東京とは自分とこのナントカ銀行の尻拭いに多額の出資をする位
余裕がありそうですが。
長くなりました、もう一つだけ、
一部 新聞ですが、 胡 錦涛 の 名の横に、フー・ジン・タォ
とカタカナの中国読みがありました。この点でも多少進展が。
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