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2007年12月 1日 (土)

読了 沙 柚 『 父の 帽子 』

Titino_boushi  沙 柚 著 『父の帽子』 を読み終えて。

 この作家、今は日本にいらっしゃるようです。

  彼女の生まれたのは 北京 胡同 フートン の 

 まんまん中で、少女の時の彼女はこの 胡同が

 遊び場所。 たまたま 東京・銀座の真ん中で生まれた

 ような環境と思っていただければ、いいのですが、

  彼女が生まれてほどなく、中国は全土を 文革の

 嵐が吹き荒れます。とりわけ、首都北京は 真っ先にそうした 爆風を もろに

 受けるのですが、少女である彼女は、この爆風に抗することもできず、吹き飛ばされ

 彼女の、少女期・青春期はまんま、文革の嵐の真っ只中で暮さざるをえない、

 という奇異な運命に翻弄されます。

  こうした年代、こうした経験の作品は、彼女にのみならず、色々な人が作品として

 います。少女の眼に映った文革の様子として、大人とは違った、観点・環境の中に

 あって、語られる物語は、映画にもあるにはありましたが、胡同の中の様子を含め

 こういう人間関係を緻密に描いた作品として、面白かった。

  小説の最後の方で、時を経て、彼女は再び 自分が以前住んでいた 北京の

 胡同を訪れ、想い出を胸に、胡同の中を歩きます。

  この辺の描写は、以前の胡同のそれと比べてみて、非常によく描けています。

 もっと、この部分を割いて、書いて欲しかったくらいです。

  北京に行く度に、時間をつくっては胡同歩きをしてはいますが、どんどん少なく

 なってますし、取り残された胡同は、一部が僅かに有るというだけのことで、それは

 純粋には胡同と呼べるものではなく、「取り残されたもの」としてあるだけのことで、

 残念ながら、胡同の役割も、胡同の気分も持ち合わせない、孤立したものとして

 ある、実は私はこの本を、彼女の自伝又は、文革の記録 としてよりも

 北京の胡同の記録として大変興味深く読み終えました。

  題名の『父の帽子』の 帽子 は、 少し詳しい方は直ぐにピンと来るでしょうが

 文革時に かぶらせられた 帽子 のことでして、抽象的なものであり、 また自分で

 はなく他者から かぶらせられる 帽子 として、それが とれるまでの間の 著者の

 家族の 葛藤は まさしくその 帽子 に象徴されています。

  

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