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2007年12月15日 (土)

今週の読んだ本 『 点心の知恵・点心のこころ 』

Dian_xin  昨日、今日と、本の話題が続いてしまいましたが、

今日は、今週読んだ中で印象に残った本を紹介。

 この本は、点心の作り方を書いた本ではありません。

  中国人と点心、点心歳時記、点心とお茶、各地の点心

 といった具合に、点心そのものを紹介しております。

  点心を「御菓子」と解説してる中国語のテキストがありましたが、これだと

 ちょっとまずいですね。点心はお菓子も含まれますが、もっと広い意味で

  点心にはいろいろなものが含まれます。ですので、主食以外のおやつで

 食べるようなものはすべて点心に入ります。

  以前は各地の点心はそれぞれ特徴があって面白かったのですが、最近は

 便利になるにつれ、何処でも手に入り、何処でも食べれるようになりましたので

 面白くありません。便利になるということは常にこうした、一方の楽しさを失くして

 行くことなのかも知れません。

   さらに、この本で興味深かったのは、

  あらゆる食べ物は、以前は季節と結びついていました。それは何時でもその

 材料がとれるわけではありませんので当然といえば当然です。

  そして、その季節の何らかの行事と結びついておりました。

  ですから、逆から言うとですね、これを食べるような日になったからもうこの季節

 というのが、分かって、この日が来たから、アレを食べなくっちゃと想い暮らして

 たんですね、以前は。

   食べものと、行事はと、季節は密接に関係してました。

  これも、近代となり、便利さと共に捨てました。

  季節に関係なく食べれるようになり、行事は忙しさの為に軽んじられ、

  大量輸送はこちらのものをあちらへ運び、今まで目にすることもなかった

  ものが、出現し食べれるようになりました。

   これって、便利。確かに便利。

   その代り、季節感を失い、地元の好いものを認識する機会を逸し、

  行事で培われてきた地域との係わりも捨て去った。

   この本には、このあと、中国の点心はどうなるのか?といった一章を

  付け加えて貰いたかったですが、残念ながらありません。

  どうでしょう、点心をつまみながら、お茶を飲み、ゆったりした時間を過ごす

 余裕もそろそろ中国でもなくなりつつあるのかも知れません。多分そうした

 時間は今後中国といえどもなかなかもてないようになるのでしょうね、きっと。

  それって、便利になった代償に忙しくなったということでしょ。

  この本の著者はお二人とも日本の方でしたが、この辺のところを当の

 中国の人たちはどう考えているのかを、知りたいものです。

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